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【サッカー選手必見】足首を捻挫した時の対処と走れるまでのリハビリ

選手

3週間前に足首を捻挫しました。病院で今週から走って良いと言われました。

今日まで何をしていましたか?足首を捻挫したら最初の対応が肝心です。早めに相談してもらえれば…

このブログを書いている人は、アスレティックトレーナーとして活動して8年目になります。

デフサッカー男子日本代表チームのサポートもしています。(@yoshikianzawa

目次

なぜ最初の対応が大切なのか?

スポーツをしている人なら人生に一度は経験したことのある足首の捻挫。

一度、足首を捻挫してしまうと適切に対処しないとクセになってしまいます。

Bahrら(1997)によると、足首の捻挫はケガをしてから6ヶ月間は再び捻挫しやすいとされており、Hochら(2014)は、ケガをした直後は靱帯や筋肉の機能が低下すると報告しています。

このようにケガをした瞬間から、復帰に向けた適切な対応が求められており、対処が遅れることでリハビリの期間も徐々に長くなってしまいます。

それでは、足首を捻挫した際には何からすれば良いのでしょうか?

足首の捻挫の初期対応

捻挫という言葉には、靭帯損傷という意味合いも含まれています。

そうなると足首に起こりうる靭帯損傷の全てを指すことになってしまいます。

したがって、今回紹介する内容は、足首を内側に捻ったタイプの捻挫(足関節内反捻挫)を前提として話を進めていきます。

捻った直後には「ブチッ」というような音を聞くこともしばしばあります。

特に初めての捻挫では、経験的に腫れが出やすい印象があります。

腫れが出ることでリハビリを進める際に「腫れを引かす」という工程が含まれてしまうため、可能な限り腫れは出したくないというのが感想です。

そのためケガをした直後にはPOLICEが重要になります。

RICEじゃないPOLICE(ポリス)が大切

  • Protection: ケガをした部分の保護
  • Optimal Loading: 適切な負荷
  • Icing: アイシング、冷却
  • Compression: 圧迫
  • Elevation: 挙上

これらの頭文字をとったものとなっております。

以前であればRICE(ライス)が推奨されていましたが、足首のリハビリでは、安静にするよりも「適切な負荷」を与えることが非常に大切になっていきます。

POLICEとRICEについて詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックすると良いです。

効果的なリハビリテーションの進め方

POLICEが終わったら

さて、ケガをした直後のPOLICEをしたら次はどうするのでしょうか。

次に行うことは、足首の可動域を戻すことです。

可動域というのは「足首の動かせる範囲」のことを言っており、可能な限り早くケガをしていない側(健側)と同じ状態に戻す必要があります。

この時、先ほども書きましたが、腫れがあると動きの邪魔をしてしまうため、極力腫れを出したくないというのは、このような理由があるからです。

リハビリを進める際に注意すること

必ず専門家の指示を仰ぎましょう。

ここに書いてある内容は、専門家が書いていますが選手の身体には個別性があります。

その人の現状抱えている問題点が分からなければAs Is, To Beと同じで復帰までの最短距離を検討することができません。

したがって、スポーツ整形外科医や治療院、整骨院、そしてアスレティックトレーナーなどに相談するのが良いでしょう。

近くで気軽に相談できる人がいない場合には、私に問い合わせても構いません。

必要に応じてアドバイスをすることも可能ですので、足首の捻挫で悩んでいる選手は気軽に連絡ください。

リハビリの方針を解説

通常、足首の捻挫で手術をすることはあまりありません。

保存療法といい、足首を保護しながらリハビリを進めて行きます。

その時の目安として「歩行」があります。

ケガをした後も歩けるような状態であれば、軽傷から中等症が考えられます。

歩けないような捻挫であれば、骨折や重症の捻挫を疑います。

これによってリハビリの期間や治療方針が大きく異なります。

今回は、歩けた場合を想定して書いていきます。

ケガをした直後の運動

ケガをしてから48時間から72時間(2日から3日)は「急性期」といい、内出血の出やすい時期になります。
その際に大切になるのはPOLICEです。

Wilkersonら(1993) はU字パッドを用いた圧迫は腫れの抑制に有効である、と報告をしています。

バンテージなどの固定や、体重を乗せる時の痛みが強い場合には松葉杖などを使用して歩行のサポートをすることも大切です。

ケガをして3日以降

可動域訓練

急性期を終えると、今度は足首の機能を高める必要があります。

ほとんどのケースで足首が固くなってしまい、動かなくなります。

目標は健側と同じくらいに動かせるように「痛みのない範囲」で足首を動かすようにします。

【動画】ハーフニーリング足関節DFエクササイズ

足首とは別に足の指を動かすことで、腫れを引かす効果も狙えます。

可動域が戻らないと、この後に実施するスクワットなどのしゃがみこみ動作に影響しますので、ここは念入りに行う必要があります。

筋力訓練

ケガをすることで足首周辺の筋肉の機能が低下するのは前述した通りですが、同時進行で体幹筋やお尻まわりを中心とした股関節周辺の筋トレも行う必要があります。

これらを鍛える最大の理由として「捻挫をした足側に体重を乗せられない」ことが挙げられます。

体重を乗せずに鍛えるトレーニングは探せばいくらでもありますが、参考程度に動画を載せるので、分からない選手はそちらを確認しましょう。

【動画】ダーティドッグ

【動画】プランクアップ

バランス機能の訓練

走るためには、必ず片脚立ちになる局面がでます。

その際に重要になるのが、足裏の状態です。

あまり注目されにくい部分ですが、足裏の機能を高めるには「ショートフットエクサイズ」が推奨されています。

そして段階的に負荷を高めていくのであれば、閉脚立位→セミタンデム→タンデム→開眼片足立ち→閉眼片足立ち、のよう道具を使わないものを中心に行います。

必要に応じてバランスパッドやバランスディスク、外乱刺激といった誰かに押されても立っていられる状態をキープするようなエクササイズに進行していく必要があります。

走れるようになるためには

走り動作を分解すると「前進」と「ジャンプ」の繰り返しになります。

ということは、事前にこれらの動作を確認しなければなりません。

前進動作を行うために

ここでは【動画】スクワットが問題なくできることが前提となります。

スクワットでうまくしゃがめない、ケガをした方にうまく体重が乗らない選手は、まずはそこをクリアできるようにしましょう。

前進動作で行うべきエクササイズは「ニーベントウォーク」と「フォワードランジ」「【リバースランジ」これらが大切になります。

ジャンプ動作を行うために

ここでは片足でのカーフレイズが問題なくできることが前提となります。

片足で難しければ、両足に戻して行う「スタンディングカーフレイズ」、それでも難しければ、座った状態で行います。

個人でリハビリを行う際には痛みなく安全に進めていく必要があります。

ジャンプ動作を獲得するために行うべきエクササイズは、スクワット動作と連動させた「コンビネーションカーフレイズ」です。

ジャンプ動作、ランニング動作を想定した複合動作となるため有用なエクササイズとなっています。

安全に効率よくリハビリを進めるためには

今回書いた内容というのは非常に基本的なものとなっています。

というのも、全ての選手が上記の内容で進めても最短ゴールになるとは限らないからです。

ですが、ここに書いた内容というのは足首のリハビリを行う上では非常に重要なことであり、その一部を紹介させていただきました。

足首のリハビリは軽視されがちですが、サッカー選手にとっては選手生命を左右するような大きなケガになりかねません。

理解のあるスタッフ、専門家に診てもらいつつ、適切なリハビリを進めていくことが選手として長く続けられることにもつながります。

そしてケガをしたことが良い意味でターニングポイントになるように、全力で取り組んでみてください。


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【編集後記】

インスタグラム1万人目指します。

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この記事を書いた人

アスレティックトレーナー/デフサッカー男子日本代表チーム/社会人大学院生/大学病院勤務/東京2020オリンピックメディカルスタッフ・選手村フィットネスセンター/スポーツ外傷・障害予防/心臓リハビリテーション/アメリカ留学経験あり/質問はTwitter、インスタのDMのみ

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