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受傷してから起こる軟部組織の生理学的反応と治癒過程

こんにちは。アスレティックトレーナーの安澤(@yoshikianzawa)です。

今回書く内容は一般の方には少し難しいかもしれません。

ですが、身体に興味を持って運動をしている方や、トレーナーを目指す学生などは知っておいた方が良い内容だと思っています。

まず初めになぜこのようなことを書くのかというと、リハビリを効率よく進めるにあたり受傷後から組織がどのように変化を経ていくのかを大まかに知っておく必要があります。

それは効果的なリハビリプログラムを構築することに繋がるからです。

目次

軟部組織の反応段階

大きく3つのフェーズに分かれます。

  • 急性炎症期
  • 増殖・修復期
  • リモデリング・成熟期

これらについて、それぞれ説明していきます。

急性炎症期(0〜72時間)

怪我をした組織は直後から赤血球と炎症細胞(マクロファージなど)に満たされます。

24時間以内にマクロファージが壊死した細胞の食作用が始まり、この活動で放出された物質が刺激となり線維芽細胞が呼び寄せられます。

そして線維芽細胞から産生したコラーゲン(膠原繊維)が治癒環境を整えるための準備を始めます。

増殖・修復期(2日〜6週間)

線維芽細胞は主要な細胞です。

初期段階では大量のコラーゲンが架橋結合しています。

※「架橋結合」とは文字通りコラーゲンとコラーゲンに橋を架けて結びつくことを言います。

治療中の組織にストレスをかけることで架橋結合が減少し、組織の張力に対する強さが徐々に向上していきます。

この辺りからマクロファージの指令によりに血管の新生され、徐々に毛細血管が発達していき、コラーゲンを足場にして肉芽組織が作られていきます。

リモデリング・成熟期(4週間〜12ヶ月)

治癒が進むと組織の総コラーゲン量はゆっくりと減少し、肉芽組織から瘢痕組織になっていきます。

全てが損傷前の組織に置換されず、瘢痕組織のまま治癒することもあります。

また、重傷度や損傷部位によってリモデリングの完了に要する時間は変わります。

組織の反応段階で考慮すること

組織の治癒過程、生理学的反応に逆らったリハビリは組織の治癒を遅らせるだけでなく、再受傷のリスクも高めてしまいます。

適切に傷害を評価し、損傷の起きている組織と損傷レベルを明らかにすることで組織の治癒過程も考慮したリハビリプログラムの構築をすることができます。

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この記事を書いた人

アスレティックトレーナー/デフサッカー男子日本代表チーム/社会人大学院生/大学病院勤務/東京2020オリンピックメディカルスタッフ・選手村フィットネスセンター/スポーツ外傷・障害予防/心臓リハビリテーション/アメリカ留学経験あり/質問はTwitter、インスタのDMのみ

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