こんにちは。アスレティックトレーナーのヨシキ(@yoshikianzawa)です。
マラソンなどの運動中もしくは運動後に咳(せき)が出てしまう経験のある人はいるのではないでしょうか。
このように運動で誘発される咳としてまず考えられるのが「運動誘発性気管収縮」です。
かっこよくいうと「EIB: Exercise Induced Bronchoconstriction」とも言ったりします。
この運動誘発性気管収縮は、運動によって一時的に引き起こされますが時間経過とともに改善していきます。
典型的には運動負荷後5分から10分で気管支収縮が最大となり、30分から45分後には自然軽快し、その後1時間から3時間の不応期に入ります。(不応期:応答ができない時期)
基本的にはあらゆるレベルのアスリートでも見られる症状なので、運動不足が原因ということではありません。
また、喘息症状を持っていて十分な治療を行なっていない人の約90%が経験しているといった報告もあります。
では、なぜこのような症状が発生するのでしょうか。
運動により換気量(呼吸で出入りする空気の量)が増えると、相対的に乾燥した大量の空気が気道を通り表面の水分を奪ってしまいます。
それにより気管支収縮や気道の炎症が起こってしまいます。
そして運動中から運動後にかけて咳が出てしまうといった仕組みです。
なので、運動誘発性気管支収縮には吸入する空気の「湿度」と運動中の「換気量の増加」が影響しているため、湿度の高い地域や季節では起こりにくいとされています。
つまり、運動を行うことが気管支を収縮するのではなく、運動に伴う換気量の増加が気管支を乾燥させて収縮を誘発させているということです。
あまりにも症状がひどい方は、運動前の十分なウォームアップ、運動中にマスクやスカーフの着用(予熱、加湿した空気を吸いやすい)など、といった非薬物的な取り組みをしてみましょう。
それでも改善されない場合には、運動15分前のSABA(短時間作用性β2刺激薬)吸入を検討しても良いかもしれません。
アスリートの場合は一部ドーピング規程に引っかかるものもあるので使用する場合には事前にTUE申請、もしくは担当のスポーツ内科医との相談の上、使用する薬物を決めるのが良いと思われます。
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